精神的・経済的に自立できる薬剤師は働く女性向きの職

kusuri

 
働く女性の職業紹介シリーズ。その職業を選んだきっかけ、その職業について嬉しかったこと・辛かったことなどを実話をもとにご紹介します。その職業に就くひとがひとりでも増えるきっかけとなれれば・・・

今回は、シングルマザーとして様々な経験をしている薬剤師のストーリーです。薬剤師の役割も近年変わりつつある中、薬剤師としてのやりがいと辛さ、経済的な側面がストレートに伝わってきます。
 

女性が働きやすい環境と家族を養える収入を得たかった

(薬剤師になったきっかけ)
母親が離婚したいけど子供がいるから離婚できないと言って、自分が精神的・経済的自立ができていないにも関わらず、離婚できないことを子供のせいにしている姿を見て若干軽蔑していたので、自分の力で一生食べていける資格が欲しいと思っていました。

女性が多く、女性への差別がなく、女性が働きやすい環境が整っているのではないかと思った点と、家族を養えるくらいの収入が得られる資格だから。

当時は今ほど薬学部が乱立しておらず、偏差値も高かったので人から馬鹿にされない職業でもある点で薬学部を選びました。
 

患者からの感謝、難病や重い病気でも明るく過ごす尊敬できる方に出会えることが嬉しい

(薬剤師になって嬉しかった思い出・良かった経験)

  • 患者さんから感謝の言葉をもらったこと。
  • 出産して数年ブランクがあったのに、職場復帰した時に患者さんが私のことを覚えていてくれたこと。
  • 私を指名して相談してくれたこと。
  • 医師が気付いていない薬の副作用に気付いて、医師に連絡して医師からそれは考えていなかった、次回処方内容を検討すると言ってもらえたこと。
  • 多くの患者さんが高齢者で人生の大先輩なので、難病や重い病気でも気持ちを強くもって明るく日々を過ごされている姿を見ると、私もこんな風になりたいと尊敬できる方と出会えること。

現在離婚してシングルマザーですが、収入オーバーで母子手当がありません。
経済的に自立して生きていけるのは薬剤師の資格があるからだと思っています。
 

薬剤師として患者からのクレームや病院からの下請け扱いはやっぱり辛い

(薬剤師になって辛かった・苦しかった経験)

  • 病院のミスであっても薬局がミスしたとクレームを言われること。
  • いわゆるモンスターペイシェントに怒鳴り散らされること。
  • 法律上、限られた条件でしか調剤拒否ができないので、いちいち難癖をつけてくる患者さんに対しても、対応をさせられること。
  • 病院からは下請け扱いされるため、病院の事務職員までもが自分が偉いと勘違いして横柄な態度を取ってくること。

専門職であるためブランクは短い方が良いので、子供が小さいうちに職場復帰をした方が良いという点。長男が9ヶ月で職場復帰したのですが、朝4時に起床して家事を済ませて必死に仕事する日々は本当にしんどいものでした。
夜泣きをする時期でしたので十分な睡眠が取れなかったです。今でも2度とあのようなしんどい毎日には戻りたくないと思います。
 

学費は高いけど・・・薬剤師は働く女性には良い仕事

(薬剤師を目指す方に一言)
現在薬学部が6年生になり、私立大学であれば学費が1000万円を越えるほどになりました。
奨学金の返済900万を背負って入社してくる新人薬剤師が沢山います。

正直に言うと、そんなに頑張って勉強したのにこの程度の収入?と思わざるを得ないです。奨学金返済も重くのしかかります。
学費の安い国公立の大学ならよいですが、私立大学なら我が子には割に合わないので勧めたくないです。

でも、シングルマザーの私が経済的に自立してやっていけるので女性には良い仕事だと思います。PTA・子供会・学童・自治会の役員もこなしながらやっていけてます。
 
(大阪府/薬剤師)