検査でどんなに重い病気を発見しても臨床検査技師は常にポーカーフェイス

kensa

 
働く女性の職業紹介シリーズ。その職業を選んだきっかけ、その職業について嬉しかったこと・辛かったことなどを実話をもとにご紹介します。その職業に就くひとがひとりでも増えるきっかけとなれれば・・・

今回は、臨床検査技師として働く女性のストーリーです。小学生の頃から障害者に関わる仕事を目指し、高校、短大としっかりと歩み、現在は作業療法士として仲間に支えられながら成長している姿が想像できます。
 

一度は一般企業に就職したものの悩んでいた時期に資格取得に挑戦している女性の記事を見たのがきっかけ

(臨床検査技師になったきっかけ)
大学を卒業して一般企業に就職し、このままでいいのだろうかと悩んでいた時期に、「40代女性が大学に編入学し、看護師を目指して勉強中」という記事を目にしたことがありました。

当時まだ20代だったので、私も資格取得に挑戦しようと決断しました。

もともと医療分野に関心があったのと、大学自体に化学科で学んだ理系の知識を活かした資格が欲しいと思い、臨床検査技師を目指すことに決め、医療系の大学の3年次に編入学し、資格を取得しました。
 

がんなど早めに治療が必要な病気を早期発見し、患者から感謝の言葉をもらうのが臨床検査技師の醍醐味

(臨床検査技師になって嬉しかった思い出・良かった経験)
臨床検査技師というのはあまり知られていない資格ですが、一般的に病院などで検査をするのがこの資格の仕事です。

私は主に生理機能検査業務、主に超音波検査を行う仕事をしています。
病気の診断は医師が行いますが、患者さんの検査に最初に携わるのが私たち臨床検査技師であり、最初に病気を発見することも多々あります。

何の自覚症状もなく検診に訪れた患者さんでも、例えばがんなど早めに治療が必要な病気が見つかることも多く、早期発見してもらえた!と患者さんから感謝の言葉を言われると、この仕事に就いて良かった!と心から嬉しく思います。

また、検査中に患者さんと何気ない会話を交わすのも、仕事中の楽しみでもあります。業界や職種など関係のない色々な方と出会えるのも、この仕事の醍醐味でもあります。
 

臨床検査技師はどんなに重い病気であるとわかっても、常にポーカーフェイスを保たないといけない

(臨床検査技師になった辛かった・苦しかった経験)
1つは、早期発見で済めば感謝されることもありますが、やはり、手遅れの状態で発見することもあります。

臨床検査技師は、それがどんなに重い病気であるか見てわかったとしても、診断につながる発言や表情をしてはいけないので、常にポーカーフェイスを保たなければいけません。

また、すでに末期の状態ではあるけれど懸命に治療をされている患者さんの中には、自暴自棄になってしまう方もいらっしゃり、ご本人の協力を得られない検査を強いることも稀にあります。

もう1つは、産後、職場復帰をしたとき、あまりに自分の技術がなまってしまっていて愕然としたことです。検査の世界は機器を扱うものがほとんどなので、その進歩はITと同じで日進月歩です。どの仕事もそうではあると思いますが、常に専門的な勉強が必要なんだと思い知らされました。
 

一般企業の転職では年齢がネックになることも医療系の資格は経験年数や実績によりむしろ選択の幅が広くなる

(臨床検査技師を目指す方に一言)
一般企業で転職を繰り返すだけでは、年齢がネックになってしまい、選択の幅が狭くなっていってしまうと思いますが、臨床検査技師をはじめ医療系の資格を持っていると、経験年数や実績によりむしろ選択の幅が広くなっていきます。

私は一度社会に出てから資格取得し、ストレートで進学した人たちと比べて6年のブランクがありましたが、それも年数を重ねる毎に解消されていきます。

パートの形態であれば週に1回から、1日4時間だけ、午前だけ、といった働き方も出来ますし、とてもやりがいのある仕事だと思います。
 
(臨床検査技師)