出産前と同じ様に働けず、働き続けることを諦めたママが沢山いるのが現実

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出産・育休後に働き方を変えたワーキングマザーの体験談シリーズ。

保育園のお迎え時間の都合など育児を優先させるために、正社員からパートや正社員だけど時短勤務というように働き方を変えた(変えざるを得なかった)経験のあるワーママの体験談です。
これから同じ様な悩みを抱えるワーママに少しでも参考に、少しでも勇気を与えられれば・・・

今回は、産休前まではトップ営業も、育休明けは営業職から渉外社員として時短勤務で働くワーママの体験談です。

育休明けは時短勤務で営業職からフォロー役として働き、担当顧客数も給料も大幅ダウンでお荷物扱い

(仕事内容や責任、給与などの待遇面はどのように変わったか)
仕事の内容自体は大きくは変わりませんでしたが、担当させてもらえる顧客が400社から20社に変更になりました。

担当と言っても別の営業職のフォローという形だったので数字目標などもなく、私が受注した成績はすべて営業職の人の実績となりました。

会社の中での私の責任はほぼないに等しい業務になったのに、これまでの私の実績から周りの社員から求められるものは高く、とても苦しい思いをしました。給料も30万円→17万円に大幅DOWN。

あまりに給与が減ってしまったので営業職に戻してほしいとお願いしたところ、「時短勤務を選ぶなら営業職にはなれない」「20時にお客様からクレームが出て対応できるのか?」と言われました。

確かに私の会社は22時まで働くのが普通の会社。18時までとはいえ、この会社では時短勤務のお荷物扱いでした。
 

産休前まではトップ営業も育休復帰後は時短勤務で働くしか選択の余地がなかったというのが本音

(なぜ働き方を変える決断をしたのか。また、その決断の過程での困難や葛藤)
選択の余地がなかったというのが本音です。

転職しようにもリーマンショック後の経済下では不可能でした。また、1歳児を抱える女性を雇いたい会社なんてないと思いました。

育休復帰した当日、上司と面談がありました。面識のない上司でした。そこで「これからどうしたいと思っているんだ?」と聞かれました。私は、「長く頑張っていけたらと思っています。」と伝えました。すると、「だったら、実家の近くに家でも買ってスーパーで働けよ。」と言われました。

ああ、私はこの会社のお荷物なんだ…。と痛感しました。

その場では大丈夫でしたが別の上司(もともとお世話になっていた)とその話をし、思わず泣きじゃくってしまいました。たった1年半の休みが私の価値を無にしてしまった。そう気づきました。

産休前まで私は支社トップの営業でした。出世頭といわれがむしゃらに頑張っていました。朝5時まで企画書を作ったり、1週間家に帰らずビジネスホテルに泊まっていたこともありました。それくらいの物量がこなせなければこの会社での価値はないのです。

育休復帰後も、待遇は悪くなったものの周囲から求められるものは高く、一旦家に帰り、子どもを迎えに行き、食事と風呂を済ませ、旦那の帰宅を待って再度会社に行くこともありました。ただただ、苦しかったです。

会社ではお荷物扱いされ、姑には「こんな小さい子を預けて働くなんて…」と嫌味を言われました。自分の居場所がどこにもなくて毎日毎日死にたくなる気持ちを必死で押し殺していました。
 

働き続けることを諦めたママがたくさんいるのが現実。すべての女性がキャリアを諦めなくていい社会を作りたい。

(ワーママとして働き続けることについてどう感じたか)
働き続けることが大変なわけではないと思います。ただ、環境を選ぶ必要はあるかもしれません。

嫌な言い方だったら申し訳ないのですが出産するまでの私はかなりのキャリアウーマンだったと思います。同じ場所に戻ったら価値のない自分に気づかされどん底に落ちました。

結局その後、私は復帰して2年で転職しました。

社風になじめずまた転職をすることになったのですがそこでは自分の価値を卑下することなく仕事が出来ました。むしろ、かなり歓迎してもらっていました。子どもがいるということがネックにならず仕事が出来ました。

そして、今現在の会社も子どもがいることがネックになっていません。プライベートと仕事とのバランスを自由に調節できます。だからと言って責任のない仕事をさせられているわけでもありません。

私は、仕事も育児も100%やりたい人間でした。だからこそ悩んだのだと思います。

どう頑張っても出産前と全く同じ働き方は私の会社ではできなかったので。ただ、周りに働き続けることを諦めたママがたくさんいました。これが現実です。

今、私は「すべての女性がキャリアを諦めなくていい社会」を作りたいと思っています。実現できるかどうかは実際働いているワーママ達次第だと思います。

だからこそ今私は、笑顔で仕事が出来る環境を自分自身で構築しています。もちろん、会社が受け入れてくれているからで本当に有難いことです。

そういったワーママが一人でも多くいることが本当に大切なことなんだと思います。
 
(会社員・広告業・営業職)