仲良くなった患者が退院できず亡くなると感情をコントロールできない

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働く女性の職業紹介シリーズ。その職業を選んだきっかけ、その職業について嬉しかったこと・辛かったことなどを実話をもとにご紹介します。その職業に就くひとがひとりでも増えるきっかけとなれれば・・・

今回は、看護師として働く女性のストーリーです。患者を精神的に支えられる看護師を目指して日々頑張っている姿が想像できます。
 

小さい頃から病気がちで看護師に精神的にも支えられた経験があり、自分も誰かのためになりたかった

(看護師になったきっかけ)
小さい頃から病気がちで看護師さんと接する機会が多く、自分自身がよく看護師さんに精神的にも支えられた経験があります。

自分も誰かのために同じような事ができればと思い、看護師を目指しました。いまでいう心理学の面でのアプローチが出来るカウンセラーも検討しましたが、当時はあまり有名ではなく需要が少なかったので、看護師を選んだ、という点もあります。

身体のケアというよりは主に精神的なケアに重点を置いて看護師を目指しました。
 

患者からの感謝にやりがいを感じ、笑顔で退院されていくときは看護師として嬉しい瞬間

(看護師になって嬉しかった思い出・良かった経験)
患者さんから、『ありがとう』と感謝してもらえることにやり甲斐を感じる、または患者さんの回復が目に見えてわかり、笑顔で退院されていく時は、とても嬉しいです。

そして自分の目指す精神的な支えとなれる看護師については、『あなたがいてくれて良かった。』や、『よく話しを聞いてくれて嬉しかった。』などの暖かいお言葉をいただき、少しずつですが自分の理想とする看護師像に近づけているのかな、と思っています。

もっとより多くの患者さんの心に寄り添える看護師になれるよう努力していかないとなと感じています。この仕事を通して、人と接する大切さや言葉の掛け方、その重要性なども勉強することができ、自分自身も人として成長できることが良い点だとも感じています。
 

仲良くなった患者が退院できずに亡くなったときは感情をうまくコントロールできない

(看護師になった辛かった・苦しかった経験)
やはり仲良くなった患者さまが退院できずに亡くなってしまったり、力及ばず転院されていくのは、非常に悲しいです。

死後処置の時は毎回泣いてしまうのですが、先輩スタッフから『毎回泣いてても悲しんでても自分が辛いだけ。割り切らないと。』と言われますが、自分はなかなかうまく感情をコントロールできません。そうやって、人が死ぬことに慣れてしまうのは、どうしても嫌だなと思ってしまいます。

また看護の処置をしていても、一瞬のミスが患者さんの命に関わってくるので、常に気が抜けません。ピリピリしているわけでもないのですが、忙しくて自分に余裕がない時は、いつのまにかそうなっていて、患者さんから『今日何かあったの?』と聞かれてしまった時は、表面に出てしまっていたのだなと反省しました。
 

看護師は憧れだけでは務まらない。理想と現実にぶつかり精神的に強くなれたらできる仕事。

(看護師を目指す方に一言)
看護師という職業は憧れだけではなれません。

まず理想と現実にぶつかり、それを乗り越えて、精神的にも強くなれたら仕事として成り立っていくものかと思います。患者さんと接する事により、多くの得るものはあるし、自分も成長できます。

色々な意味で看護師とは、仕事としてではなく自分の人生、生き方の部分を変えることもできる職業かと感じています。
 
(看護師)