高齢者の方が寝たきり状態から普通の生活に戻すのが理学療法士のやりがい

rihabiri

 
働く女性の職業紹介シリーズ。その職業を選んだきっかけ、その職業について嬉しかったこと・辛かったことなどを実話をもとにご紹介します。その職業に就くひとがひとりでも増えるきっかけとなれれば・・・

今回は、理学療法士として働く女性のストーリーです。小学生の頃から障害者に関わる仕事を目指し、高校、短大としっかりと歩み、現在は作業療法士として仲間に支えられながら成長している姿が想像できます。
 

自分が体調を崩し、普通に生活することのありがたさを痛感したのが理学療法士のきっかけ

(理学療法士になったきっかけ)
まず第一に人間を相手に仕事ができるということの喜びがありました。

この資格を取得するまでは、パソコンや機器のデータと向き合う仕事に従事していましたので、自分のアクションへの応答が得られるということに、強く憧れていました。

第二に自分が体調を崩し、普通に生活することのありがたさを痛感させられたことです。仕事が忙しく、めまいを起こして、出勤できない状態になったことがありました。歩くことが精一杯。走るなんて全く考えられない日々を過ごし、体を整えるということに関心を強く持つようになりました。

この二点から、理学療法士という資格を見つけ出し、リハビリテーションの方法を患者様に伝えたいと資格取得を目指しました。
 

簡単な運動やストレッチの指導で、痛みや動きの制限が格段に改善された患者の嬉しそうな顔をみると嬉しい

(理学療法士になって嬉しかった思い出・良かった経験)
いくらその人その人それぞれのプログラムとは言っても、やはり実際の運動処方は、あるパターンの運動を選ぶので、療法士からしてみると、そんなにすごいことをしているわけではなのですが、簡単な運動やストレッチの指導で、痛みや動きの制限が格段に改善されることもあります。

そんなとき、患者様のとびきり嬉しそうなお顔をみると、こちらも非常にうれしくなります。

高齢者の方の場合は精神的にも鬱的になっていることもあり、少しずつ自信をつけて、寝たきりに近い状態から、台所に立った・老人会に出かけるようになった・趣味を再開したなどといったお話を伺うと、お手伝いできたことに喜びを感じます。

また、自分の祖母などが膝が痛い・腰が痛いとなったときに、アドバイスを的確にしてあげられることも良かったです。
 

患者や家族とのコミュニケーション不足で患者が期待するような効果が出せなかったときはやはり辛い

(理学療法士になった辛かった・苦しかった経験)
自分のアプローチの失敗、または患者様や家族とのコミュニケーション不足で、思ったようにプログラムを進めることができず、患者様が期待するような効果が出せなかったときは、やはり辛いものがあります。

また、老人保健施設にて、自宅復帰を目指していた高齢者の方が、身体的には自宅で過ごせるまでになり、いざ、家族の方との会議の場で報告したところ、「帰ってきてもらっては困ります。」とはっきりと言われたときは、その結果を患者様に伝えることが非常に苦しかったです。

リハビリでは、患者様の都合だけではなく、家族をも含めたチームとして動かなければ、その効果を最大に活かせないと思い知らされた経験でした。

その他にも、病気になる以前と全く同じ状態にしてほしいといった要求が強い方もいらして、工夫して生活していくことを拒み、完璧に治るまでは、外出も仕事も復帰しないといい、却って体力の低下を招いてしまったこともありました。
 
(理学療法士を目指す方に一言)
日々が新しく、様々な発見があります。自分が一所懸命取り組めば、その成果がはっきりと現れるお仕事です。
 
(理学療法士)