あの人の、あの言葉で、私は退職を撤回した(2)

|誰だって会社を辞めようと思ったことはある。
|でもそんなときに限って、いつも誰かが救ってくれる。
|あの時のあの人のあの言葉があったから今こうして頑張れる。

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働く女性が仕事を辞めようと思った様々なシーンで、上司や先輩、同期、家族、お客様から頂いたたくさんの言葉があります。

仕事を辞めずにもう一度頑張れる気持ちになった、あの人のあの言葉をエピソードを添えてお届けします。

 

辛くても、それを乗り越えていかないとね

(from 無表情で口数の少ない上司)
異動前にいた部署で、私はパワハラにあい体調を崩し、現在の部署に異動した。
ある日、その部署に行く用があり、辛くて「あの部署には行きづらいんですよね」と、つい口にしてしまった。するといつも無表情で口数の少ない上司が、言葉をかけて下さった。
上司とはそれまでほとんど会話がなかった関係で、私に対して無関心なのだと思っていたので、弱音を吐いた私を叱るでもなく、励まして下さったことが嬉しかった。(京都府/広告代理店)

 

破天荒な彼女だけど一人じゃ何もできない奴だから右腕になってやってほしい

(from 仕事を紹介してくれた先輩)
個性的で人気のあったセレクトショップでしたが、オーナーが厳しすぎて辞めていく人が圧倒的に多かった。
そんな時に仕事を紹介してくれた先輩に相談した時に言われた一言。
それから何を言われても黙々と仕事をやり続けた結果、周りでその様子を見ている人がいて、知らず知らずのうちに助けてくれる人が増えていったことに自分でも驚きました。(新潟県/セレクトショップ)

 

ママいつもありがとう。ママは最高のママだよ。仕事頑張ってね。大好きだよ。

(from 娘)
夜勤が始まると、娘が祖父母に寂しい想いを悟られないように声を出さずに泣いていたと聞きました。自分が選んだ道が正しいのか悩んでいた時に愛娘から貰った手紙です。(神奈川県/助産師)

あなたのおかげでチョコレートの味と一緒に楽しい日々を思い出しました

(from 患者様)
食事制限の末、胃に直接管を入れて食事を摂っている患者様を担当させていただいていた時の事です。

当時、激務に加えて目的を見失っていた私は転職を視野に入れた退職を検討していました。
胃から流動食を入れられて口から食べ物を受け入れる事ができない患者様のお部屋を訪問した際、「甘いものを口に入れる事はダメなのかしら?」と聞かれました。誤嚥の危険性がある為、それはできないとお断りしたのですが「もうすぐ仕事を辞めるんだし、ここは一発ぶつかってみるか!」と変な勇気が出てドクターやナースに患者様のご希望を伝え会議にかけました。

もうすぐ寿命を迎えられる患者様にとって、生きる喜びとはなんだろうか?危険性を回避する方法は?など、議論の末に舌の上にチョコレートを乗せて味わっていただくだけなら可能だという結論になりました。

寝たきりで口から食べ物を召し上がれなくなっていた患者様にチョコレートを差し上げた時「甘くていい香り。チョコレートの味といっしょに楽しかった日々を思い出すようだわ」とおっしゃいました。
「あなたのおかげよ」と言っていただいた時、嬉しくて笑顔でいるのが難しいほど感動しました。

他の職種にぶつかって議論すること。自分の意見を出す事、そして患者様に喜んでいただける事。改めて気が付き、仕事を辞める必要はない。もっとできることがあるばずだと思いました。(東京都/管理栄養士)

どうせ辞めるなら、惜しまれて引き止めれる仕事をしなさい

(from 先輩)
入社一年目。私が、仕事で失敗して、誰も信用できない。酷いうわさを立てられて、精神的に病み・・。
みんなが陰で私の悪口を言ってるような気がしてならなかったときに先輩が、一緒にご飯を食べに行って連れて行ってくれました。
ふてくされていた私にうどんを奢ってくれました。

「自分は、君を信じているよ。いつも一生懸命に笑顔でお客様に接している君の頑張りを知っているよ」と言ってくれて、涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔になった私の頭を撫でてくれていました。

「私、やめたいんです」そう言ったときに、先輩は「やめていいよ。でも、どうせ辞めるなら、惜しまれてやめなさい。辞めたあとに、記憶に残るように。君がいなくなったことは、会社の損失だといわれるような仕事をもうちょっとやってごらん。そして、辞めなさい」と言われた言葉をずっと思い出します。

今、その先輩は別の会社に転勤になったけれども、いまでも、先輩の言葉を思い出して、いつでも辞めるという気持ちのまま、でも、みんなから惜しまれられるような人でありたいと思いながら、働いています。(埼玉県/事務)