作業療法士は日常に関するあらゆるリハビリを行なえる職種

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国家資格で働く女性の職業紹介シリーズ。

今回は、作業療法士として働く女性のストーリーです。

その職業を選んだきっかけ、その職業について嬉しかったこと・辛かったことなどを実話をもとにご紹介します。

その職業に就くひとがひとりでも増えるきっかけとなれれば・・・
 

寝たきりのお年寄りがされるがままに介護を受けていた現状を知り作業療法士を目指した

(作業療法士になったきっかけ)
私は10歳で若年性関節リウマチを発症しています。

小さい頃から病院とは切っても切り離せない生活を送っていました。

最初は違う医療職を私の両親が望んでいたため、それに向かって勉強をしていましたが、人と向き合える職業を考えていた私には違和感を感じていました。

ところがある時、ボランティアで高齢者施設を訪れた時のこと、寝たきりのお年寄りがされるがままに介護を受けていた現状を知り、少しでも出来る動作を増やせる仕事に就きたいと思ったことがきっかけで日常生活動作の評価・訓練を行なえる作業療法士を目指しました。
 

高齢者の方との関わりにおいて、生きてこられた人生を垣間見る事が出来たことは本当によかった

(作業療法士になって嬉しかった思い出・良かった経験)
実際に患者さん・利用者さんと接している中でご希望される動作が出来るようになった時やご家族の方の要望が叶えられたときに「ありがとう」と言われたことがとても嬉しかったです。

また、デイケアで働いていた時のことですが、、、

認知症を患う方との人間関係が構築された頃、曜日感覚を思い出し「今日はお仕事に行く日なんだ」と息子さんに向かって話をし、普段は家でボーっとしているのにその日だけはご自分で支度をされていてリハビリを楽しみにしているという話を息子さんから伺った時には一緒にリハビリをしていて良かったと思いました。

そして、特に高齢者の方との関わりにおいてですが、皆さんが生きてこられた人生を垣間見る事が出来、1日1日を一緒に楽しむことが出来た経験は本当によかったと思います。

皆さんには私から沢山の元気をもらったとおっしゃっていただけることが多かったのですが、私の方が人生の大先輩から助言や励ましを頂いたような気がしてなりません。
 

人生の終末を高齢者施設で迎えられ、次にお会いできなくなることは一番の辛く苦しい経験

(作業療法士になった辛かった・苦しかった経験)
私は高齢者施設と精神障害者施設を経験しています。

高齢者施設での一番の辛く苦しい経験は、人生の終末を施設で迎えられること、また次にお会いできずお亡くなりになってしまうことがあることでした。

今まで本当に沢山の方を見送ってきました。

その度に自分は最期までその方と向き合って関われたかということを振り返っています。

また、目の前で意識を失い救急搬送されたことも度々です。

その時は感情に流されることなく、何時にどういう状況で意識を失い怪我はないか反応はあったか・・・などを医師や看護師が来る前に確認を取らなければなりません。

常に冷静であるべきということが時に苦しかったこともありました。

一方、精神障害者施設では、患者さん・利用者さんとの対人関係上の距離を取ることの難しさを経験しました。

精神障害と言っても様々な疾患があるのですが、共通して言えることは精神面がもろく弱いこと、同時に相手に隙があるとそこを見抜かれてしまうことです。

そのため一定の距離を持って関わろうとするあまり、私自身が疲れてしまうこともしばしばでした。
 

作業療法士は日常に関するあらゆるリハビリを行なえる職種で、リハビリ分野ではなんでも屋

(作業療法士を目指す方に一言)
作業療法士は日常に関するあらゆるリハビリを行なえる職種です。

言い換えればリハビリの分野ではなんでも屋になります。

様々な疾患の訓練を行なうことを始め、在宅での環境を評価したり車いすや歩行器などを選定する仕事も行います。

また、他のリハビリ職種との大きな違いは精神科の分野にて活躍できるところです。

昨今、社会生活を送るなかでうつ病になる方が増えてきていますが、そういった方々のケアを行なえる知識や経験を学べる分野です。

そのため、幅広い経験を持っているととても役に立ちますし、日々充実した生活を送れることと思います。
 
(作業療法士)